「褒められてもうれしくない」と思うのはなぜ?その心理・理由・対処法を解説
褒められてもうれしいと感じない…
そんな自分はおかしいのかな…
断言しますが、おかしいことではありません。
褒められてもうれしくないと感じる理由は、「あなたが正直で、繊細で、誠実だから」です。
私自身もそうでした。
褒められても素直にうれしいと思えなかった
私は、心理学を学ぶことで、「褒められてもうれしくない」と感じる心理に行きつき、これらの気持ちを自然と処理できるようになりました。
この記事は、そんな私の経験から「褒められてもうれしくない」と考える理由や対処法を解説します。
この記事を読んで、あなたの心を自由にしてあげてください。
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褒められたらうれしくなる仕組み
褒められたら嬉しくなるのは、次の2つによります。
- 自尊心が満たされる
- 自己肯定感が満たされる
それぞれ具体的に解説します。
自尊心が満たされる
褒められることが嬉しくなるのは、自尊心が満たされるからです。
褒めることは「共感」や「関心」、「驚嘆」などさまざまな気持ちを言葉で表したものです。
その「褒める」ことの意味を感じ、裏にある気持ちを理解し、認められたという感覚を得ます。そして、自尊心の高まりを感じ、嬉しくなります。
アメリカの心理学者マズローが提唱した「欲求5段階説」でも、承認欲求は第4段階の欲求に当たり、比較的強い欲求になります。
自己肯定感が満たされる
褒められることで、自分の良い部分や行った成果を客観的に認めることができます。
これにより、自己肯定感が向上し、自信を持つことができます。
自己肯定感については、別の記事で詳しく解説していますので、気になる場合はこちらもご覧ください。
「【自分を否定しない】自己否定をやめて自己肯定感を高める7つの方法」
褒められても嬉しくない理由
褒められても嬉しくなのは、相手からの共感や関心よりもネガティブな感情のほうを強く感じるからです。
そのネガティブな感情が生まれる理由は次の5つです。
- 圧力を感じてしまう
- 思っていなくても褒めることができる
- 特定の側面しか見せていない
- 自分を演じている
- モチベーションが低い
それぞれ具体的に解説します。
圧力を感じてしまう
褒められると無言の圧力を感じていませんか?
いつもキレイにしているよね!
相手から見えるあなたは一部分ですが、褒められるとその人の前では常にキレイな面を見せないといけないと感じてしまいます。
その無意識的な圧力により、相手からの共感や関心の前に心は負担感を強く感じてしまいます。
思っていなくても褒めることができる
あなたは人に対して思っていないことでも褒めることができますか?
もしこの答えが「YES」である場合、自分が褒められてもうれしいと感じない心理が働くときがあります。
というのも、自分がしているため、
どうせ社交辞令だろ…
と捉えてしまうからです。
私も「すごい」なんて褒め言葉は、挨拶のように使っていました
自分が思っていなくても褒めることができる場合、言葉に相手からの気持ちを感じないときには「うれしい」と思うことができないのです。
特定の側面しか見せていない
自分の一つの側面だけを見てほめられたと感じる場合も、うれしいと感じません。
○○さんって、優しいですよね!
そう言われても、実は自分の中にある「優しくない部分」を隠した上でやさしく接しているだけという場合がほとんどです。
その「優しくない部分」を強くコンプレックスに感じている場合ほど、うれしいとは思えません。
むしろ心の中で本音と建前のギャップが生まれ、ストレスになります。
この場合は、褒められることは負担でしかないんです。
自分を演じている
相手に見せたい自分を演じている場合、褒められても嬉しくありません。
なぜなら、褒められたのは「その役の人物」だからです。
例えば、桃太郎を演じたあなたが「桃太郎って、強くてかっこいいよね」と褒められたとしても、うれしくもなんともないですよね。
私も「こう思われたい」とその役を演じていました…
あなたの脳は、演じていることをちゃんと理解しています。そのため、他人が褒められているようにしか感じていないのです。
モチベーションが低い
モチベーションが低い場合、褒められても嬉しくありません。
なぜなら、褒められることにより、次に求められるものが大きくなるように感じるからです。
今回のプロジェクト、本当によくがんばった!
こんなふうに褒められたら、次の仕事では、より高い成果や努力を求められているように感じませんか?
仕事に対してモチベーションが高いときはうれしいですが、低いときはうれしく感じません。
褒められてうれしくなくても大丈夫!
褒められてうれしくない自分はどこかおかしいのかな?
そんなことはありません。褒められてうれしくなくても大丈夫!です。
その理由を次に説明します。
褒められて高まる自己肯定感は脆い
褒められることにより育てた自己肯定感は脆く弱いものです。
なぜなら、相手の評価は、その時の状況などによって変わるからです。
また、人によって評価するポイントは違いますし、その人との相性もあります。
そんなものを根拠にして築いた自己肯定感は脆く弱いんです。
自分の中に明確な基準があれば、褒められて嬉しくなくても何も問題ありません。
自己肯定感には脆い自己肯定感と強靭な自己肯定感があります。その内容について、別の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。
「【自分を否定しない】自己否定をやめて自己肯定感を高める7つの方法」
褒められることは目的ではない
良い成果やすばらしい面があるから褒められるのであって、褒められること自体が目的ではありません。
褒められることが目的となった場合、無難なことしかやらなくなります。
実際、目的と手段が入れ替わってしまうことはよくある…
褒められることがうれしくない人は、褒められることが目的ではないことをちゃんと理解できているのです。
ありのままの自分を出せる環境ではない
自分自身を素直に表現できていますか?
今のあなたを取り巻く環境が「ありのままの自分を出せる環境」ではない場合、うれしいと感じないのは当然です。
むしろ、あなたはちゃんと今の環境を理解できているといえます。
うわべだけで評価されても仕方がないですから…
ただし、その環境が苦しく感じる場合は、どこかほかに本当のあなたを表現できる場所をつくるようにしましょう。
嫌われるのはしょうがない
相手に合わせた行動が褒められたとしても、うれしくないと感じるのは正しい心理です。
あなたのやりたいことではなく、相手の望むことをやっただけですから。
ですので、あなたの脳は正しい判断をしています。ただし、もし褒められてもうれしくないと感じるのがしんどいときは、嫌われることを恐れず、自分自身を大切にしましょう。
私もしんどかったけど、「嫌われても良い」と感じた瞬間からフッと楽になりました
どれだけがんばっても、全ての人に好かれるなんてことはないです。
褒められてうれしくなくてもこれだけはしよう!
アドラー心理学でも「課題の分離」という考え方があります。
いろんな悩みや問題を「自分の課題」と「他者の課題」に分離し、考えること。アドラーは、自分でどうにかできるのは「自分の課題」のみであると教える。
「褒める」のは他者の課題ですが、「褒められた後の反応」はあなたの課題です。
ですので、褒められてうれしくなくても、しなければならないことがあります。
うれしいと感じなくても感謝はする
嬉しいと感じなくても感謝はしましょう。
なぜなら、気持ちはどうであれ、相手はあなたに言葉をかけてくれているからです。
言葉のパワーについて、IKEAが行ったこんな実験があります。
2つの植木鉢にネガティブな言葉とポジティブな言葉を聞かせ続けた場合、植物の生長に影響があるのかを調べた実験。
30日続けた結果、ネガティブな言葉を聞かせ続けた植物は枯れたが、ポジティブな言葉を聞かせ続けた植物は順調に育った。
「褒める」というのはポジティブな言葉です。相手の気持ちがどうあれ、それは素直に感謝すべきです。
褒める相手の期待を考えない
褒める相手の気持ちを考える必要はありません。
なぜなら、褒める相手の気持ちがどうあれ、受け取った褒め言葉をどう感じるかはあなたの課題であり、その答えは自由だからです。
あなたが褒める相手の期待に応える必要は全くないのです。
(おわりに)褒められてもうれしくないときには
褒められてもうれしくないということは、病気ではありません。
この記事では、褒められてもうれしくない心理や理由とともに、気にしなくていい理由などを解説しましたが、この心理の根本にあるのは、あなたの誠実さや繊細さ、正直さなどです。
ですので、「褒められてもうれしくない」と感じるその気持ちを受け止め、あなたの気持ちが楽になるようにあなたの課題のみに集中してください。
きっと心は軽くなりますから。